皆様こんにちは。
立春を過ぎましたが、北風はまだまだ強く、雪も降ったりして、ニット帽にマフラー・手袋が手放せない日々ですね。しかし、春の足音は遠くはありますが聞こえているようです。先日、『富士山と梅の花』の塗り絵をしていたご利用者様に「まだまだ寒いし、梅の花はもう少し先ですかね?」とお声掛けしたら、「あら、バスで来る時に咲いてる場所があったわよ。白梅と紅梅。日当たりとかにもよるんでしょうけどね。」と思わぬ返答をいただきました。梅の花が咲き始めたことにも嬉しさを感じましたが、車窓からの風景をしっかりご覧になっており、それをお話しして下さったことにも喜びを感じました。
同じように過ごしている毎日のようですが、少しずつ日が延びたり、花のつぼみがほころんだり、雲の形が違ったりと環境は変化しているのです。同じように人間の体調や気分の状態も毎日何らかの変化があります。
デイケアでお仕事をしていく上で、ご利用者様の小さな変化をキャッチすることはとても大切なことだと思います。特に、認知症を持たれている方の場合、その変化やそれによる心身の不快感をうまく表出することができずに、思いもよらぬ行動に出てしまうことがあります。大きなトラブルに発展する前に、日々の関わりの中で変化をキャッチすることにより、ご利用者様が快適に過ごせるだけでなく、私たち介護する側の負担も軽減することにつながります。
マイナスのサインだけではありません。快感情のサインもとても大切です。一番の分かりやすいサインは『笑顔』です。どんな声掛けや関わりをした時に笑顔を見せたのかを把握することは、特に中等度から重度の方との関りにおいては、言語を介してのコミュニケーションが難しいですので、その方にとっての心地よいもの、好きなものを把握しておくことで、デイケアをより安心して過ごせる快適な場所として提供することにつながっていきます。
難しく考える必要はありません。何気なく歌った歌に笑顔を見せたら、それをその方お気に入りソングだなと頭の片隅に入れて置き、その方が不安な状態になった時(例えば、お家に帰りたくなってしまった、お手洗いに行くのを渋っているなど)にそっと近くで歌って差し上げるだけでも、もしかしたら安心して下さるかもしれません。フロアでご利用者様と何気なく雑談をしているようでも、スタッフはそういったサインをキャッチするため、常にアンテナを張っているのです。
デイケアは病院と家庭の中間の場所です。集団生活ではありますが、お一人お一人にとって少しでも快適に一日を過ごせる場所でありたいと思っています。
最後に、今月の作品をどうぞ。