皆様こんにちは。
ここ数日温かい陽気が続いていますね。クリニックの駐輪所の傍らにある梅の鉢植えもきれいに咲いています。今日はヨガのお話を少々。
3階フロアでは月に数回ヨガを行っていましたが、最近2階でも午後のプログラムでヨガを始めました。といっても、本格的な難しいポーズを取るようなものではなく、呼吸法やストレッチを中心としたもので、ヨガに初めて触れる方や体の硬い方でも安心して取り組める内容となっています。
2階のフロアは中等度から重度の認知症の方が中心なので、導入する前は果たしてプログラムとして成立するだろうかという不安がとても大きかったのですが、実際行ってみると予想外の手ごたえにとても驚きました。
プログラムの流れは、『呼吸法→呼吸と体の動きの連動→簡単なポーズ』で、おおよそ30~40分ほど行っています。
どんな手ごたえがあったかというと、
○プログラム中席を立ち歩いたり、大声を出す方がおらず、フロアに静寂の時間が流れる
○普段イライラされている方が、とても静かに取り組まれている
○終わった後の皆さんの表情が柔らかく、穏やかな時間が続く
などが感じられました。あまりの好感触に驚いたので、認知症とヨガの関係について少しばかり調べてみたところ『ヨガも有酸素運動と同様の効果を脳にもたらすことが明らかになった。ヨガの実践により、記憶や情報処理、感情のコントロールをつかさどる脳の部分に良い影響があると示唆された』というアメリカの記事を見つけました。詳細は省略しますが、気になる方はぜひ記事をご覧下さい(Newsweek日本版/2019.12.27)。
もちろんヨガだけの直接の効果とは言い切れず、音楽などの環境面も含めた相互的な結果かとは思いますが、治療的に良いものであるということは明らかに感じられました。
今後も継続して行っていきたいと思います。
そして、もう一つお伝えしたいのは、これをご覧になっているご家族の皆さんにもぜひお試しいただきたいということです。認知症の家族のケアという先の見えない日々の中で、心身のストレスが蓄積されているのではないでしょうか?たまったストレスを発散することはできていますか?コロナ渦において、思ったように外出が出来なかったり、違ったストレスも加わって、更にどんどんストレスがたまる一方になっていませんか?
そんな時、静かに座って呼吸を整えるだけでも、気持ちを切り替えたり、落ち着きを取り戻すことができます。いきなり一人で行うことは難しいかもしれませんので、YouTubeの動画などをうまく活用しながら取り組んでみるのがおススメです。そんな時間はない!という方は、朝起きた時に窓を開けて、外の空気を吸いながら、太陽に向かって大きく3回深呼吸してみましょう。たったこれだけでも、一日のスタートを気持ちよく切れると思います。
気候と気持ちの変動が起こりやすい時季だからこそ、自分を見つめる時間を忘れずにいたいですよね。