環境の変化
皆様、こんにちは。4月になり、新年度がスタートしました。
今年は3月末に桜の開花宣言が出て以来、寒の戻りが何度かあったためか、比較的長い期間桜を楽しむことができましたね。何度もお花見を楽しめてうれしい反面、先日のような真冬の寒さには驚かされました。皆様、ジェットコースターのような気温の変化で体調など崩されていませんか?
新年度になり、街には真新しい制服やスーツに身を包んだ幼稚園生から社会人まで、フレッシャーズがたくさん見られています。新しい環境に慣れるまでは、緊張の毎日ですよね。
前回のブログでお話しした『見当識障害』とも大きく関連するのですが、認知症の方にとって環境の変化は心身の状態に非常に大きな影響を及ぼします。配偶者との死別や、引っ越し、あるいは可愛がっていたペットとの別れなど、本人にとってショックな出来事が起こると認知機能にも少なからず変化が起こります。一つだけでも大きなショックですが、さらにこれらの出来事が重なると、影響もそれだけ大きくなります。例えば、高齢のご夫婦のうちどちらかが亡くなり、一人暮らしをさせるのが心配だからと離れた地域に住む息子や娘のところへ引っ越してくる。新しい環境では知り合いもいないし、土地勘もないから家に籠りっきりになってしまい、いつしか元気もなくなって物忘れも出始めて・・・という話はよく耳にしますよね。では、一体どのようにすれば新しい環境でも以前と変わらずに元気に生活を続けていけるのでしょうか?
○なじみを大切にする
なじみの人、なじみの場所、なじみの食べ物、なじみの道具、なじみの服、なじみの趣味などなど、人には生活していく中で少しずつ構築されていったこれらの物事が少なからずあるのではないかと思います。引っ越しなど、どうしても避けることができない出来事がある場合、可能な限り上記の『なじみ』を身の回りに置いておくだけでも、気持ちが休まります。つまり、ご本人にとって少しでも安心できる環境を作るということです。すべてを以前と同じにするのは難しいと思いますので、例えば朝食がご飯食からパン食に変わった場合に、みそ汁だけは出してみるとか、趣味の活動が続けられるよう、地元で参加できそうなサークルを探してみる、近所を一緒に散歩して故郷の風景に似たような落ち着ける場所を探してみる・・・ほんの少しでも構わないので、ご本人の気持ちに寄り添って一緒に安心できる環境づくりを行っていくという姿勢が大切だと思います。
しかしながら、気持ちの上ではわかっていても、自分たちの生活もあるし、時間を取れない・・・そんな時こそ、デイケアの存在を是非有効に活用していただきたいと思います。決まった時間にデイケアに出かけ、なじみの仲間やスタッフと共に一日を過ごすのは、安定した生活の継続に繋がっていきます。また、デイケアでは、毎日歌や体操、ゲームに創作、季節のイベントなどご利用者様が毎日通っても飽きないよう、様々な活動が行われています。ご家族様の力だけでは補えない部分をサポートしていく、これがデイケアの役割の一つであると思います。医師や看護師による医療的なサポート、作業療法士によるリハビリのサポート、介護福祉士による身体ケアのサポート、専門職の揃ったデイケアだからこそできる手厚いサポート体制が、デイケアにはあります。
オレンジでも、これらのスタッフが協力してご利用者様のサポートを行っています。
最後に、今月の作品を。
オレンジにもたくさんの桜が咲きました!
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