オレンジ日記

オレンジ日記

2023年5月27日

『アフタヌーンティー』に招待されました!

 皆様こんにちは。

季節を飛び越えて真夏のような暑い日があったかと思えば、急降下して3月の気温に戻ったりと目まぐるしいお天気の変化で、体調が追いついていかないですよね。ここ1,2か月曇りや雨になることが多い土曜日ですが、先週の土曜日に素敵な出来事があったので、ご報告いたします。

キウイ(リワークデイケア)の皆さんが開催した『アフタヌーンティー』にお招きにあずかりました。

ウエイターさんに誘導され、お席へと移動したのですが、窓から見える埼玉スタジアムに感激するなど、皆さんの表情や言葉からウキウキした様子がこちらにも伝わってきて、嬉しくなりました。

着席すると、まずはウエルカムドリンクの『ローズ・コーディアルのスパークリング』が提供されました。「きれいだね~」「おいしいね~」としゅわしゅわした薔薇の香りの飲み物を楽しみました。

ドリンクの後は、3段トレーのスイーツが目の前に登場。ウエイターさんが丁寧に一つ一つのお菓子に付いて説明してくださったのち、ひとりずつのお皿にサーブされました。「食べるのがもったいないね~」と言いながらも、皆さんパクパクと完食。素敵なメニューの数々は、メニュー表やお写真をご参照ください。ちなみに、一番上の段のバラの花はあんこでできているんですよ。












フロアに戻ってからも、皆さん余韻を楽しまれ、スタッフが通るたびに「良かったよ」「楽しかった」と感想をお話ししてくださいました。

オレンジでは苔玉づくりや、クリスマスコンサートなど折に触れキウイのメンバーさんとの交流も行っています。一つ屋根の下で日々を過ごしているオレンジとキウイ、時々こうしたイベントを行うことでお互いの理解と交流のきっかけになるといいなと思っています。


皆さんが最近おいしいなと思ったスイーツは何ですか?


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2023年4月22日

気が付けば・・・もうすぐGW!

皆様こんにちは。長らく更新を滞らせてしまいましたが、オレンジはスタッフもご利用者様もそれぞれが皆元気に春を迎えております。

まずは、たまった創作の作品をドドーンと一気にご紹介。 

















この他にもいろいろ作っておりまして、2階も3階もオレンジフロアは❝春満開❞となっております。

ご利用者様とお話をしていると、時々びっくりするような話題が飛び出します。先日は、あるご利用者様が某有名アーティストを「○○ちゃん」と呼んでいるので、「お知り合いなのですか?」と尋ねてみたら、「本人は赤ん坊だったからあまり知らないけどよ、母ちゃんがよく背負って来てたな」とまさかのお母様と近しい関係だったことが判明。他にも、政界の大物の娘さんと同級生でよく家に遊びに行った方、など・・・

ご本人様の昔のご活躍や武勇伝に驚かされることもしばしば。

私たちスタッフは、ご利用者様をケアする立場ではありますが、これまで生きてきた中での様々なお話から、学ばせていただくことが多々あります。有難うございます。
やはり、人生の先輩というのは何物にも代えがたい貴重な存在ですね。

そんな皆様と共に、これからも楽しく過ごせたらいいなと思っています。


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2023年1月31日

時には冒険してみよう

 皆様こんにちは。

あっという間にクリスマスから年末年始を通り越し、仕事始めを迎えたと思ったら、明日からはなんと2月!!最強寒波の襲来により、日本の各所で影響が出ていますが、寒さで体調を崩されていませんか?

今日は、先日行った調理プログラムの様子をお知らせします。バタバタしていたので写真を撮ることをすっかり忘れており、文章だけのご報告となりますが、お付き合いくださいませ。

1月12日、調理プログラムを行いました。

今回作ったのは、『おかき』と『ホットココア』です。ちょうど鏡開きの後で、手元に鏡餅がたくさんあったので何か行事にちなんだものを作りたいなぁと考えました。さすがにお汁粉やぜんざいはリスクが高いので、何かないかなとあれこれ探していたところ、〝レンジでできるおかき”なるものを発見。これならばオレンジのフロアでも出来ると思い、早速試作を行いました。作り方はごくごくシンプル。小さく切ったお餅をオーブンシートに載せてレンジにかけるだけ。ふわっと膨らんでサクサクになったら、お醤油を刷毛で塗って出来上がり。お味見をした方の反応も概ね良好だったので、いざ本番実行。

逆にココアは粉を炒って香りを出すところから始めるという本格的な作り方で作りました。

ここで、なぜ高齢者にわざわざ固くて食べ辛いおかきをだすの?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

高齢者だから歯が悪い、入れ歯をしている→ゆえに固い食べ物はNG!と、十把ひとからげに決めてしまうのはナンセンスかなと思うのです。おじいちゃんやおばあちゃんが「固い固い」と言いながら、草加せんべいや雷おこしを食べているのをご覧になったことはないでしょうか?そしてそんな固いせんべいをしゃぶりながら柔らかくしたり、お茶に浸してふやかして、むしろその固さや味を楽しみながら食べていましたよね。もちろん咀嚼や嚥下状態の程度にもよりますが、(安全面での配慮を十二分に行ったうえで)時にはあえて固さを楽しむ食べ物を提供するのもアリなのではないかと考えます。


で、今回のおかきはどうだったかというと・・・結果、賛否両論ございましたが、おいしいの声多数。中でも印象的だったのは、いつものお昼のお弁当には辛口の評価をすることの多いご利用者様が「おいしい、おいしい」とおかきをほおばっていたことです!

固いものは苦手な方への配慮として、ココアを一緒に作りました。こちらは丁寧に作ったので、味も香りも本格派。皆さん笑顔で飲まれていました。

「高齢者だから、○○だろう」という固定観念にとらわれるのではなく、時には少しだけ冒険してみると、思いもよらなかった反応が得られることもありますよね。また一つ、皆さんの新たな一面を見ることが出来ました。


最後に今月の創作をどうぞ。新年らしい縁起物がたくさん作られました。







皆さんは鏡開きでどんなお餅料理を食べられましたか?

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2022年12月22日

わかちあいのススメ

 皆様こんにちは。冬至を迎え、熊谷では初雪が観測されたと言うニュースを耳にすると、いよいよ本格的な冬が到来したんだなと実感する今日この頃です。

さて、オレンジは12月30日から1月3日まで年末年始のお休みとなります。デイケアがお休みになると、施設やご自宅で過ごす時間が増えますよね。ご利用者様は嬉しく思う一方、年末年始でただでさえ忙しのに、5日間もどうやって一緒に過ごしていこうと困惑されるご家族様もいらっしゃるのではないでしょうか?

今日はわかちあいのお話を少々。

皆さんは『家族会』あるいは『当事者会』というものをご存知でしょうか?その文字の通り、認知症や高次脳機能障害、あるいはうつ病などの疾患をを患っている方、もしくはそのご家族を対象とした集まりのことです。家族が主体となって運営していることもあれば、病院やデイケアのPSW(精神科ソーシャルワーカー)が中心となって運営されている組織もあります。

会では様々なことが行われます。病気に対する勉強会、病院スタッフとの相談会、ご本人も交えたレクリエーションなどのイベント・・・。その中でも重きを置かれるのがご家族や当事者同士の交流です。

病院や施設スタッフには言いづらい悩み、家族にしかわからない辛さや苦労、そういったことを安心して語ることのできる場が家族会です。最初は敷居が高いかもしれませんが、いざエイ、ヤアッと飛び込んで話を聞いてみると、同じ悩みを持っていたり、家族だからできる対処法を知ることができたり、なにより一人じゃないんだという安心感が得られると思います。もちろん私たちスタッフも可能な限りのサポートを行っていきますが、スタッフではできない部分のサポートをしてくれるのがこのような会なのではないかと思います。

素人の山登りに例えてみましょう。「人の助けは借りん、私は一人で登るんだ!」と意地を張って頑張ってばかりじゃ、やがて心身が悲鳴を上げてしまうでしょう。山の専門家に相談して必要な装備を整え、途中、乗り合いバスがあれば行けるところまで利用し、またロープウェイがあれば乗ってみることで、気持ちや体力にも余裕が出るし、また違った景色を楽しむこともできるでしょう。山道の途中で出会った人と言葉を交わすことにより、思わぬ情報を得ることもあるはずです。同じ山登りをするのでも、どのような方法を取るかによってその道のりは大きく変わってくることでしょう。

わかちあいをすることで、辛いことは半分に、ひとりじゃないという安心感は倍になります。

介護(特に認知症の介護は)当事者と家族のみの狭い世界になりがちです。先の見えない道のりを歩いていく中で、不安を覚えることも多々あるでしょう。そういった時に使える社会資源を有効活用することで、日々の暮らしが少しでも快適に過ごせるといいですよね。使えるものは使わなくちゃもったいない!

ご本人ご家族、どこにも辛いことの皺寄せが行かない穏やかな暮らしが続けていけることを私たちも日々願っています。


最後に作品の写真をどうぞ。

時節柄クリスマス物がたくさんありますね。









皆さんはどんな山登りをしてみたいと思いますか?


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2022年10月17日

おったまげたこと

 皆様こんにちは。気が付けば10月も半ばを迎え、山沿いでは紅葉も少しずつ始まってきました。今年の晩夏から初秋にかけては急激な気温の変化や雨模様のお天気で、体調管理がなかなか難しいですが、体調崩されていませんか?

認知症のフロアでお仕事をしていると、色々驚きの出来事と遭遇するのですが、今回はそんなエピソードから考えたことをお話ししようかなと思います。

ある日、軽度認知症のフロアでのこと。男性利用者様がカバンの中からチューブを取り出していたところに通りがかりました。ハンドクリームでも塗るのかなと思い、お声をかけると、私に手を出すようにとおっしゃったので、手の甲を差し出すと、チューブから出てきた白いものを私の手の甲に丁寧に塗り始めました。明らかにハンドクリームとは感触が違い、「むむむ???」と思い、そのチューブを見ると・・・

『洗顔フォーム』

と書いてありました!

しかも、そのチューブ、半分くらいは既に使われており・・・固まっている私を全く意に介さず、「な、いいだろ?」と嬉しそうに語りかけてくるご利用者様。いつもこんな風に使っているのかをお尋ねすると、「そうだよ」と自慢げに答えてくださいました。

パッケージをお見せしながら「これは『顔を洗う時に使うもの』だから、塗ったままにせず洗い流した方がいいですよ~」とやんわり伝えましたが、「あ~、そうなの?でもこのままでいいよ」とあっさり受け流されてしまいました。何度か説得を試みましたが、洗い流す様子は全くみられず。これはマズイと思い、洗面所で自分の手に水をつけて泡立てた状態をお見せし、「ほら、石鹸でしょう?つけたままより、泡立てて流した方がお肌がすべすべになりますよぉ~」と説明すると、ようやく腰を上げ、洗面台で洗い流してくださいました。そして「あ~、ほんとだ。すっきりしたなぁ」とご納得いただけました。

その後ご本人の承諾を得て、パッケージの前面には『これは顔を洗うものです』、後面には『付けた後は、洗い流しましょう』とマジックで大きな文字でテープに書いて貼らせていただきました。

中等度、重度のフロアでは異食の危険性もあるので、物品管理には十分注意を払っているのですが、軽度のフロアでこのようなことがあるとは。まさに“おったまげ”な出来事でした。


しかしながら、そこで洗顔フォームのチューブを見て考えました。


パッケージの前面→商品名がおしゃれに書かれているが、ぱっと見何か分かりづらい

パッケージの後面→原材料名など小さい文字の羅列でなんのこっちゃ


洗顔フォームなのか、ハンドクリームなのか、はたまた歯磨き粉なのか、考えてみると世の中には似たような形状で用途の異なるモノが実にたくさんありますよね。バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方や取り組みも大分浸透しては来ましたが、このようにほんの小さなことでも不便さがあったり、一つ間違うと危険にもつながりかねないことがあるのだということを感じた出来事でした。

ご家族様が一緒に住まわれている場合は、すぐに気が付くかもしれませんが、軽度から中等度の認知症でおひとり暮らしをされている方の場合には気を付けた方が良いかもしれません。

でも、不思議な使い方をしているのを見つけても、決して怒ったりしないでくださいね。ご本人はそのつもりで使っているのですから。怒られたら傷ついてショックを受けてしまうかもしれません。そっと取り替えておくか、笑い話にして「今度はこうしようね」と優しくお伝えください。


最後に今月の創作をご覧ください。








皆さんが、最近『おったまげた』のはどんな時ですか?


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2022年9月1日

理想と現実のシーソー

皆様こんにちは。
日中はまだまだ暑いですが、朝晩吹く風に少しずつ秋らしさが感じられて来ましたね。夏の疲れが出てくる時期でもありますが、体調崩されていませんか?

今回は、少しまじめなお話です。
少し前にテレビのドキュメンタリー番組で認知症高齢者の入居施設を取り扱ったものがありました。その施設が掲げているのはその方の『あるがままを受け入れる』こと。施設側の都合や時間軸で何かをさせたりすることなく、可能な限りその方のやりたいことをやりたいように、つまりご自宅に暮らすような形で過ごしていただいているのです。たとえ入居者の方が不穏な状態に陥った際も物理的な力(及び抑制)や薬を用いずに対応することを基本姿勢にされています。施設自体も小規模で、家に近いような形で、そこで生活されているご利用者様の表情も穏やかなものです。理想的な介護の形ですよね。

しかしながら、認知症の施設ゆえ、様々な問題が起こります。例えば、夕方帰宅欲求が出て外へ出ていこうとしても、それを止めることはせず、スタッフはただその方の傍で一緒に寄り添いながら、落ち着きを取り戻すまで、一緒に外を歩きます。また、ある時は入居者の方が自分の感情がコントロールできなくなり、スタッフに手をあげてもそれをじっと受け入れるのです。そのため、スタッフの体には生傷が絶えず、過酷な労働環境となっています。それでも、責任者の経営理念に賛同して集まったスタッフや責任者は、懸命に現場で入居者の対応を行っていらっしゃいます。

この番組を見て、自分の日々の業務と照らし合わせながら色々考えさせられました。

ご利用者様と寄り添うこと、
薬をどのように使うかということ、
スタッフの身の安全を守ること・・・

デイケアでも、不穏が強くなってしまった場合、医師の指示の下頓服薬を内服いただくことがあります。しかしそれは決してスタッフ側の都合であってはなりません。あくまでも、その方がご自身の心身のコントロールができなくなって、辛くなったり、苦しくなったり、イライラしてしまったり、それによりご自分や他の方に危害を及ぼしてしまう、そんな時はお薬の助けを借りることも必要なのではないかと思います。

もちろん理想はこの施設のように、お一人お一人に寄り添った介護だと思います。だからと言ってどこかにしわ寄せがいって、そこにいる誰かが我慢したり、辛い思いをするのも何か違うなと思うのです。

難しいですね・・・

理想と現実の折り合いをどこでつけるのか、現場で働いている私たちは常にそのシーソーの上で揺れているのです。


最後に、夏の作品の数々を。





















皆さんにとっての理想の暮らし方はどんなものですか?


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2022年7月29日

ほっこり動画

 皆様こんにちは。

本格的な夏が到来しましたね。毎日暑いですが、夏バテしていませんか?

今日は、私が最近ハマっているYouTube動画についてお話し致します。息子さん一家と共に生活されている認知症のおばあちゃんの日常生活の動画なのですが、見ている時は思わずクスリと笑ってしまったり、なるほどなぁと感心したり。そして見終わった後もどこか気持ちがほっこりとするのです。

いったい何に感心するかというと、認知症の症状ゆえに生活の随所で色々なハプニングが起こるのですが、それを見ているお嫁さんの対応が「神」なのです。決して、怒らず、責めず、制止せず、いつもコロコロと楽しそうに笑って「あらあら、おばあちゃん」という感じで懐大きく受け止めているのです。

普段私たちは、お仕事として認知症の方々のケアに携わっていますので、もちろん個人の尊厳を保った関わりを心がけていますが、実際自分の同居する身内がそのようなこと(例えば、朝起きたら、おばあちゃんがトイレのブラシと浴室のシャンプーを使って玄関を泡だらけにしながらお掃除している)をしでかしていたら、きっと自分の感情が先走った対応をしてしまうのではないかと思うのです。

さらに、このお嫁さんすごいな、と思うのは、日々の暮らしの中でリハビリテーション的なアプローチをしっかりと行っているんです。例えば、回転寿司に外食に行った際は、ネタのしりとりをしながらお食事をするとか、毎回恒例のおやつタイムでは、おばあちゃんに「今食べたのは何?」「どんな味がするの?」と声掛けをしたり、あるいは流しそうめんで季節を感じる&そうめん以外のものを流して箸で取ることで、指先の巧緻性をトレーニングしたり・・・もしかしてお嫁さんは同業者なのでは⁉と思ってしまうほどです。

ほっこり要素は、おばあちゃんにもあります。

昔お家でご商売(カバン屋さん)を営まれていたようで、鉄板ネタ(ことあるごとに繰り返されるエピソード)として、お店の前に郵便局の本局があってその局員さんにネクタイを「いかがですか?」とおススメするのですが、架空のネクタイを持つ巧みな手首の使い方と、その時におばあちゃんが食べているものがお話にリンクしてしまう所に思わずクスリと笑ってしまいます。そしてとても言葉遣いの丁寧なおばあちゃんで、「バナナさんをね・・・」とか「指さんが・・・」とあらゆるものに「さん」をつけて穏やかな口調でお話されるのです。

認知症になると行動範囲が狭くなり、家族でお出かけする機会が減ってしまう方も多いのですが、この動画のご家族とおばあちゃんはいちご狩りに出かけたり、レストランやカフェで外食をされたり、お庭の芝刈りを一緒に行ったりとアクティブに楽しんで過ごされています。

ご自宅で認知症の方の介護をされていく上で、ご家族様には大変なこともたくさんあると思います。しかしながら、それを笑顔で楽しいエピソードに変換してしまう所は同業者として(勝手に同業者にしてしまっていますが)脱帽するばかりです。これからも陰ながら応援させてください。

最後は、今月の創作です。

夏らしいものが勢ぞろいしましたね。














皆さんは、最近どんな動画にほっこりと気持ちが和みましたか?


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