皆様こんにちは。
約9か月と長~いご無沙汰となりました。
ゴールデンウイークの4連休を終え、クリニックやデイケアも少しずつ通常運転に戻り始めています。
昨夏のブログでお伝えしたお坊さんの実習生は、年明けに無事に実習期間を終えられました。春には郷里のお寺に戻るとお話しされていたので、今頃は元気にお寺のお勤めをされていることでしょう。
当院では4月より岩槻クリニックが開院し、オレンジからも何人かのご利用者様やスタッフが、岩槻にお引越しされました。
さて、久しぶりのオレンジブログですが、今日は『長いお別れ』のお話をしようかなと思います。お別れといっても皆様とのお別れではなく、このゴールデンウイーク中に見た映画のタイトルです。
『長いお別れ』は中嶋京子の同名小説(第10回中央公論文芸賞、第5回日本医療小説大賞を受賞)を原作にした、2019年公開の映画です。父・昇平(山崎努)の70歳の誕生日会に、父親が認知症であることを母(松原智恵子)から告げられた娘二人(竹内結子、蒼井優)と家族のその後の7年間の生活を描いたお話です。
少しずつ、少しずつ、認知症が進行し、生活面でも大変な部分が増えていく父親ですが、時として意図せず発した言葉や仕草が様々な悩みを抱える娘たちの心の傷を癒すものとなったり、人生の岐路で一歩を踏み出すきっかけとなったりします。山崎努ら名優たちの演技もさることながら、話にぐいぐい引き込まれて行きます。最終的には父親は病気で亡くなりますが、残された家族ひとりひとり(特に孫)の心の中にその存在はしっかりと刻み込まれています。
これ以上お伝えするとネタバレをしてしまうので控えておきますが、さて『長いお別れ』とは一体何だと思いますか?
認知症を患い、徐々にゆっくりと記憶を失っていく過程をアメリカでは、『ロング・グッドバイ(長いお別れ)』と呼んでいるそうです。本人にとってもそうでしょうし、家族にとっては特にそう感じられるのではないかと思います。
この映画を見て、認知症は先の見えない長い旅ですが、ご本人の意思や気持ちを尊重し、家族の負担も考慮しながら、双方にとって悔いのないお別れができるような過ごし方をしていけたらいいなと思いました。
映画の中でもデイサービスやショートステイを利用されていますが、社会資源を上手に活用しながら、ご家族の負担を軽減することで、ご本人との穏やかな時間が生まれてくるのではないでしょうか。
デイケアの利用についてだけではなく、日々の生活でお困りのことなどございましたらスタッフへのお声掛けや連絡帳でお知らせください。
もしかしたら、何かお力になれることがあるかもしれません。
最後に、こちらもすっかり溜まっていたカレンダーのお写真を。
最近皆さんはいつ、どこで、誰と、どんな映画を見ましたか?