木曜日, 12月 22, 2022

わかちあいのススメ

 皆様こんにちは。冬至を迎え、熊谷では初雪が観測されたと言うニュースを耳にすると、いよいよ本格的な冬が到来したんだなと実感する今日この頃です。

さて、オレンジは12月30日から1月3日まで年末年始のお休みとなります。デイケアがお休みになると、施設やご自宅で過ごす時間が増えますよね。ご利用者様は嬉しく思う一方、年末年始でただでさえ忙しのに、5日間もどうやって一緒に過ごしていこうと困惑されるご家族様もいらっしゃるのではないでしょうか?

今日はわかちあいのお話を少々。

皆さんは『家族会』あるいは『当事者会』というものをご存知でしょうか?その文字の通り、認知症や高次脳機能障害、あるいはうつ病などの疾患をを患っている方、もしくはそのご家族を対象とした集まりのことです。家族が主体となって運営していることもあれば、病院やデイケアのPSW(精神科ソーシャルワーカー)が中心となって運営されている組織もあります。

会では様々なことが行われます。病気に対する勉強会、病院スタッフとの相談会、ご本人も交えたレクリエーションなどのイベント・・・。その中でも重きを置かれるのがご家族や当事者同士の交流です。

病院や施設スタッフには言いづらい悩み、家族にしかわからない辛さや苦労、そういったことを安心して語ることのできる場が家族会です。最初は敷居が高いかもしれませんが、いざエイ、ヤアッと飛び込んで話を聞いてみると、同じ悩みを持っていたり、家族だからできる対処法を知ることができたり、なにより一人じゃないんだという安心感が得られると思います。もちろん私たちスタッフも可能な限りのサポートを行っていきますが、スタッフではできない部分のサポートをしてくれるのがこのような会なのではないかと思います。

素人の山登りに例えてみましょう。「人の助けは借りん、私は一人で登るんだ!」と意地を張って頑張ってばかりじゃ、やがて心身が悲鳴を上げてしまうでしょう。山の専門家に相談して必要な装備を整え、途中、乗り合いバスがあれば行けるところまで利用し、またロープウェイがあれば乗ってみることで、気持ちや体力にも余裕が出るし、また違った景色を楽しむこともできるでしょう。山道の途中で出会った人と言葉を交わすことにより、思わぬ情報を得ることもあるはずです。同じ山登りをするのでも、どのような方法を取るかによってその道のりは大きく変わってくることでしょう。

わかちあいをすることで、辛いことは半分に、ひとりじゃないという安心感は倍になります。

介護(特に認知症の介護は)当事者と家族のみの狭い世界になりがちです。先の見えない道のりを歩いていく中で、不安を覚えることも多々あるでしょう。そういった時に使える社会資源を有効活用することで、日々の暮らしが少しでも快適に過ごせるといいですよね。使えるものは使わなくちゃもったいない!

ご本人ご家族、どこにも辛いことの皺寄せが行かない穏やかな暮らしが続けていけることを私たちも日々願っています。


最後に作品の写真をどうぞ。

時節柄クリスマス物がたくさんありますね。









皆さんはどんな山登りをしてみたいと思いますか?


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月曜日, 10月 17, 2022

おったまげたこと

 皆様こんにちは。気が付けば10月も半ばを迎え、山沿いでは紅葉も少しずつ始まってきました。今年の晩夏から初秋にかけては急激な気温の変化や雨模様のお天気で、体調管理がなかなか難しいですが、体調崩されていませんか?

認知症のフロアでお仕事をしていると、色々驚きの出来事と遭遇するのですが、今回はそんなエピソードから考えたことをお話ししようかなと思います。

ある日、軽度認知症のフロアでのこと。男性利用者様がカバンの中からチューブを取り出していたところに通りがかりました。ハンドクリームでも塗るのかなと思い、お声をかけると、私に手を出すようにとおっしゃったので、手の甲を差し出すと、チューブから出てきた白いものを私の手の甲に丁寧に塗り始めました。明らかにハンドクリームとは感触が違い、「むむむ???」と思い、そのチューブを見ると・・・

『洗顔フォーム』

と書いてありました!

しかも、そのチューブ、半分くらいは既に使われており・・・固まっている私を全く意に介さず、「な、いいだろ?」と嬉しそうに語りかけてくるご利用者様。いつもこんな風に使っているのかをお尋ねすると、「そうだよ」と自慢げに答えてくださいました。

パッケージをお見せしながら「これは『顔を洗う時に使うもの』だから、塗ったままにせず洗い流した方がいいですよ~」とやんわり伝えましたが、「あ~、そうなの?でもこのままでいいよ」とあっさり受け流されてしまいました。何度か説得を試みましたが、洗い流す様子は全くみられず。これはマズイと思い、洗面所で自分の手に水をつけて泡立てた状態をお見せし、「ほら、石鹸でしょう?つけたままより、泡立てて流した方がお肌がすべすべになりますよぉ~」と説明すると、ようやく腰を上げ、洗面台で洗い流してくださいました。そして「あ~、ほんとだ。すっきりしたなぁ」とご納得いただけました。

その後ご本人の承諾を得て、パッケージの前面には『これは顔を洗うものです』、後面には『付けた後は、洗い流しましょう』とマジックで大きな文字でテープに書いて貼らせていただきました。

中等度、重度のフロアでは異食の危険性もあるので、物品管理には十分注意を払っているのですが、軽度のフロアでこのようなことがあるとは。まさに“おったまげ”な出来事でした。


しかしながら、そこで洗顔フォームのチューブを見て考えました。


パッケージの前面→商品名がおしゃれに書かれているが、ぱっと見何か分かりづらい

パッケージの後面→原材料名など小さい文字の羅列でなんのこっちゃ


洗顔フォームなのか、ハンドクリームなのか、はたまた歯磨き粉なのか、考えてみると世の中には似たような形状で用途の異なるモノが実にたくさんありますよね。バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方や取り組みも大分浸透しては来ましたが、このようにほんの小さなことでも不便さがあったり、一つ間違うと危険にもつながりかねないことがあるのだということを感じた出来事でした。

ご家族様が一緒に住まわれている場合は、すぐに気が付くかもしれませんが、軽度から中等度の認知症でおひとり暮らしをされている方の場合には気を付けた方が良いかもしれません。

でも、不思議な使い方をしているのを見つけても、決して怒ったりしないでくださいね。ご本人はそのつもりで使っているのですから。怒られたら傷ついてショックを受けてしまうかもしれません。そっと取り替えておくか、笑い話にして「今度はこうしようね」と優しくお伝えください。


最後に今月の創作をご覧ください。








皆さんが、最近『おったまげた』のはどんな時ですか?


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木曜日, 9月 01, 2022

理想と現実のシーソー

皆様こんにちは。
日中はまだまだ暑いですが、朝晩吹く風に少しずつ秋らしさが感じられて来ましたね。夏の疲れが出てくる時期でもありますが、体調崩されていませんか?

今回は、少しまじめなお話です。
少し前にテレビのドキュメンタリー番組で認知症高齢者の入居施設を取り扱ったものがありました。その施設が掲げているのはその方の『あるがままを受け入れる』こと。施設側の都合や時間軸で何かをさせたりすることなく、可能な限りその方のやりたいことをやりたいように、つまりご自宅に暮らすような形で過ごしていただいているのです。たとえ入居者の方が不穏な状態に陥った際も物理的な力(及び抑制)や薬を用いずに対応することを基本姿勢にされています。施設自体も小規模で、家に近いような形で、そこで生活されているご利用者様の表情も穏やかなものです。理想的な介護の形ですよね。

しかしながら、認知症の施設ゆえ、様々な問題が起こります。例えば、夕方帰宅欲求が出て外へ出ていこうとしても、それを止めることはせず、スタッフはただその方の傍で一緒に寄り添いながら、落ち着きを取り戻すまで、一緒に外を歩きます。また、ある時は入居者の方が自分の感情がコントロールできなくなり、スタッフに手をあげてもそれをじっと受け入れるのです。そのため、スタッフの体には生傷が絶えず、過酷な労働環境となっています。それでも、責任者の経営理念に賛同して集まったスタッフや責任者は、懸命に現場で入居者の対応を行っていらっしゃいます。

この番組を見て、自分の日々の業務と照らし合わせながら色々考えさせられました。

ご利用者様と寄り添うこと、
薬をどのように使うかということ、
スタッフの身の安全を守ること・・・

デイケアでも、不穏が強くなってしまった場合、医師の指示の下頓服薬を内服いただくことがあります。しかしそれは決してスタッフ側の都合であってはなりません。あくまでも、その方がご自身の心身のコントロールができなくなって、辛くなったり、苦しくなったり、イライラしてしまったり、それによりご自分や他の方に危害を及ぼしてしまう、そんな時はお薬の助けを借りることも必要なのではないかと思います。

もちろん理想はこの施設のように、お一人お一人に寄り添った介護だと思います。だからと言ってどこかにしわ寄せがいって、そこにいる誰かが我慢したり、辛い思いをするのも何か違うなと思うのです。

難しいですね・・・

理想と現実の折り合いをどこでつけるのか、現場で働いている私たちは常にそのシーソーの上で揺れているのです。


最後に、夏の作品の数々を。





















皆さんにとっての理想の暮らし方はどんなものですか?


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金曜日, 7月 29, 2022

ほっこり動画

 皆様こんにちは。

本格的な夏が到来しましたね。毎日暑いですが、夏バテしていませんか?

今日は、私が最近ハマっているYouTube動画についてお話し致します。息子さん一家と共に生活されている認知症のおばあちゃんの日常生活の動画なのですが、見ている時は思わずクスリと笑ってしまったり、なるほどなぁと感心したり。そして見終わった後もどこか気持ちがほっこりとするのです。

いったい何に感心するかというと、認知症の症状ゆえに生活の随所で色々なハプニングが起こるのですが、それを見ているお嫁さんの対応が「神」なのです。決して、怒らず、責めず、制止せず、いつもコロコロと楽しそうに笑って「あらあら、おばあちゃん」という感じで懐大きく受け止めているのです。

普段私たちは、お仕事として認知症の方々のケアに携わっていますので、もちろん個人の尊厳を保った関わりを心がけていますが、実際自分の同居する身内がそのようなこと(例えば、朝起きたら、おばあちゃんがトイレのブラシと浴室のシャンプーを使って玄関を泡だらけにしながらお掃除している)をしでかしていたら、きっと自分の感情が先走った対応をしてしまうのではないかと思うのです。

さらに、このお嫁さんすごいな、と思うのは、日々の暮らしの中でリハビリテーション的なアプローチをしっかりと行っているんです。例えば、回転寿司に外食に行った際は、ネタのしりとりをしながらお食事をするとか、毎回恒例のおやつタイムでは、おばあちゃんに「今食べたのは何?」「どんな味がするの?」と声掛けをしたり、あるいは流しそうめんで季節を感じる&そうめん以外のものを流して箸で取ることで、指先の巧緻性をトレーニングしたり・・・もしかしてお嫁さんは同業者なのでは⁉と思ってしまうほどです。

ほっこり要素は、おばあちゃんにもあります。

昔お家でご商売(カバン屋さん)を営まれていたようで、鉄板ネタ(ことあるごとに繰り返されるエピソード)として、お店の前に郵便局の本局があってその局員さんにネクタイを「いかがですか?」とおススメするのですが、架空のネクタイを持つ巧みな手首の使い方と、その時におばあちゃんが食べているものがお話にリンクしてしまう所に思わずクスリと笑ってしまいます。そしてとても言葉遣いの丁寧なおばあちゃんで、「バナナさんをね・・・」とか「指さんが・・・」とあらゆるものに「さん」をつけて穏やかな口調でお話されるのです。

認知症になると行動範囲が狭くなり、家族でお出かけする機会が減ってしまう方も多いのですが、この動画のご家族とおばあちゃんはいちご狩りに出かけたり、レストランやカフェで外食をされたり、お庭の芝刈りを一緒に行ったりとアクティブに楽しんで過ごされています。

ご自宅で認知症の方の介護をされていく上で、ご家族様には大変なこともたくさんあると思います。しかしながら、それを笑顔で楽しいエピソードに変換してしまう所は同業者として(勝手に同業者にしてしまっていますが)脱帽するばかりです。これからも陰ながら応援させてください。

最後は、今月の創作です。

夏らしいものが勢ぞろいしましたね。














皆さんは、最近どんな動画にほっこりと気持ちが和みましたか?


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水曜日, 6月 29, 2022

色々飛び越して、夏

 皆様こんにちは。

梅雨入りしたと思ったら、あっという間に梅雨明け宣言が出され、そして連日の猛暑!皆様いかがお過ごしでしょうか?ブログの更新もいつの間にか5月を通り越して6月となり、あと数日で7月になるところでした💦

最近のオレンジの様子を5~6月の作品と共にお伝えします。上から順に、『水連』、『藤』、『紫陽花とかたつむり』、『雨傘』、『紫陽花』、『サクランボ』です。

かたつむりをよ~くご覧ください。とても愛くるしい瞳の子がいますね。○シールに目を描いてもらったのですが、スタッフの「目を描いて下さいね」の指示を忠実に守り、シールに「め」と書いて下さった方が・・・(笑)でも、なぜかとても愛くるしくて、しっくりなじんでいます。言葉で伝えるのって難しいですね。創作をしていると、思いがけず色々な作品が生み出されるので、そんなハプニングも楽しみつつプログラムを行っています。















今日は、帰りの体操でザ・ビーチ・ボーイズの『サーフィン・U.S.A』の曲を使ったダンスを踊ってみました。いつもは『うめぼし体操』や『瀬戸の花嫁』などゆったりした曲で体操しているのですが、すっかり夏模様ですし、たまにはアップテンポの洋楽もどうかな、と。楽曲自体は1963(昭和38)年のものですから、ご利用者様も耳にしたことがあるハズ、と思い切って流してみたら、皆さんノリノリのサーファーになって踊ってくださいました。あるご利用者様は、終わった後に「こうやって踊るのよ」と社交ダンスの華麗なステップを披露してくださいました。また、新たな発見をした一日でした。


皆さんは、最近どんな音楽で気分を盛り上げましたか?


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土曜日, 4月 30, 2022

今月の創作

皆様こんにちは。 

昔から『暑さ寒さも彼岸まで』と言われていますが、今年はお彼岸を過ぎて四月になっても、冬に戻ったかのような寒い日があったかと思えば、逆に春を一気に通り越して夏が来たような暑い日があったりと、なかなかお天気が安定しない日々ですね。年度始まりでもあるので、何かと気ぜわしく、心身の状態が不安定になりがちですが、ブログをご覧の皆様はいかがお過ごしでしょうか?

オレンジでは、コロナの影響で参加を自粛されていた方々が少しずつ再開されており、「お久しぶりです」とご挨拶することが増えています。以前とお変わりない姿を拝見するのはスタッフとして大変うれしい限りです。まだまだ先の見えない状況下ではありますが、引き続き感染対策を行いながら、ご利用者様が過ごしやすい場の提供に努めたいと思っております。

今月の創作のご紹介です。
毎年作っているこいのぼりですが、カラフルなうろこの部分は何だと思いますか?
実はこれ、新聞広告なのです。今回の創作はエコ、リサイクルをテーマに、新聞広告をうろこに見立てて貼り付けてみました。様々な色や柄があって、個性豊かな作品に仕上がったのではないかと思います。
今回は、3回に分けてじっくりと取り組みました。完成したものをお披露目した際には、皆さんから自然な拍手が沸き起こり、フロア全体で完成を喜ぶことができました。




さて、こちらの作品はイチゴです。定番の赤だけでなく、今流行り(?!)の白イチゴも仲良く並んでいます。こちらは、土台のイチゴに黄色い丸シールを貼り付けていくという簡単な作り方なのですが、シンプルゆえにシールの貼り方に皆さんこだわりを見せていますよね。




創作活動をすると、お話しているだけでは知ることのできない皆さんの新たな一面を見ることができるので、楽しみでもあり、勉強にもなります(作っている最中はいつもてんやわんやなのですが💦)。

イチゴとこいのぼりでフロアの季節がまた一歩前進しました。
次の創作では、皆さんのどんな姿が見られるか楽しみです。

皆さんは、どんなことから季節を感じていますか?

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木曜日, 3月 10, 2022

ヨガでリラックス&リフレッシュ

 皆様こんにちは。

ここ数日温かい陽気が続いていますね。クリニックの駐輪所の傍らにある梅の鉢植えもきれいに咲いています。今日はヨガのお話を少々。

3階フロアでは月に数回ヨガを行っていましたが、最近2階でも午後のプログラムでヨガを始めました。といっても、本格的な難しいポーズを取るようなものではなく、呼吸法やストレッチを中心としたもので、ヨガに初めて触れる方や体の硬い方でも安心して取り組める内容となっています。

2階のフロアは中等度から重度の認知症の方が中心なので、導入する前は果たしてプログラムとして成立するだろうかという不安がとても大きかったのですが、実際行ってみると予想外の手ごたえにとても驚きました。

プログラムの流れは、『呼吸法→呼吸と体の動きの連動→簡単なポーズ』で、おおよそ30~40分ほど行っています。

どんな手ごたえがあったかというと、

○プログラム中席を立ち歩いたり、大声を出す方がおらず、フロアに静寂の時間が流れる

○普段イライラされている方が、とても静かに取り組まれている

○終わった後の皆さんの表情が柔らかく、穏やかな時間が続く

などが感じられました。あまりの好感触に驚いたので、認知症とヨガの関係について少しばかり調べてみたところ『ヨガも有酸素運動と同様の効果を脳にもたらすことが明らかになった。ヨガの実践により、記憶や情報処理、感情のコントロールをつかさどる脳の部分に良い影響があると示唆されたというアメリカの記事を見つけました。詳細は省略しますが、気になる方はぜひ記事をご覧下さい(Newsweek日本版/2019.12.27)。

もちろんヨガだけの直接の効果とは言い切れず、音楽などの環境面も含めた相互的な結果かとは思いますが、治療的に良いものであるということは明らかに感じられました。

今後も継続して行っていきたいと思います。


そして、もう一つお伝えしたいのは、これをご覧になっているご家族の皆さんにもぜひお試しいただきたいということです。認知症の家族のケアという先の見えない日々の中で、心身のストレスが蓄積されているのではないでしょうか?たまったストレスを発散することはできていますか?コロナ渦において、思ったように外出が出来なかったり、違ったストレスも加わって、更にどんどんストレスがたまる一方になっていませんか?

そんな時、静かに座って呼吸を整えるだけでも、気持ちを切り替えたり、落ち着きを取り戻すことができます。いきなり一人で行うことは難しいかもしれませんので、YouTubeの動画などをうまく活用しながら取り組んでみるのがおススメです。そんな時間はない!という方は、朝起きた時に窓を開けて、外の空気を吸いながら、太陽に向かって大きく3回深呼吸してみましょう。たったこれだけでも、一日のスタートを気持ちよく切れると思います。

気候と気持ちの変動が起こりやすい時季だからこそ、自分を見つめる時間を忘れずにいたいですよね。





あなたが最近深呼吸をしたのはいつですか?

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木曜日, 2月 17, 2022

春の足音

皆様こんにちは。

立春を過ぎましたが、北風はまだまだ強く、雪も降ったりして、ニット帽にマフラー・手袋が手放せない日々ですね。しかし、春の足音は遠くはありますが聞こえているようです。先日、『富士山と梅の花』の塗り絵をしていたご利用者様に「まだまだ寒いし、梅の花はもう少し先ですかね?」とお声掛けしたら、「あら、バスで来る時に咲いてる場所があったわよ。白梅と紅梅。日当たりとかにもよるんでしょうけどね。」と思わぬ返答をいただきました。梅の花が咲き始めたことにも嬉しさを感じましたが、車窓からの風景をしっかりご覧になっており、それをお話しして下さったことにも喜びを感じました。

同じように過ごしている毎日のようですが、少しずつ日が延びたり、花のつぼみがほころんだり、雲の形が違ったりと環境は変化しているのです。同じように人間の体調や気分の状態も毎日何らかの変化があります。

デイケアでお仕事をしていく上で、ご利用者様の小さな変化をキャッチすることはとても大切なことだと思います。特に、認知症を持たれている方の場合、その変化やそれによる心身の不快感をうまく表出することができずに、思いもよらぬ行動に出てしまうことがあります。大きなトラブルに発展する前に、日々の関わりの中で変化をキャッチすることにより、ご利用者様が快適に過ごせるだけでなく、私たち介護する側の負担も軽減することにつながります。

マイナスのサインだけではありません。快感情のサインもとても大切です。一番の分かりやすいサインは『笑顔』です。どんな声掛けや関わりをした時に笑顔を見せたのかを把握することは、特に中等度から重度の方との関りにおいては、言語を介してのコミュニケーションが難しいですので、その方にとっての心地よいもの、好きなものを把握しておくことで、デイケアをより安心して過ごせる快適な場所として提供することにつながっていきます。

難しく考える必要はありません。何気なく歌った歌に笑顔を見せたら、それをその方お気に入りソングだなと頭の片隅に入れて置き、その方が不安な状態になった時(例えば、お家に帰りたくなってしまった、お手洗いに行くのを渋っているなど)にそっと近くで歌って差し上げるだけでも、もしかしたら安心して下さるかもしれません。フロアでご利用者様と何気なく雑談をしているようでも、スタッフはそういったサインをキャッチするため、常にアンテナを張っているのです。

デイケアは病院と家庭の中間の場所です。集団生活ではありますが、お一人お一人にとって少しでも快適に一日を過ごせる場所でありたいと思っています。

最後に、今月の作品をどうぞ。




皆さんが最近見つけた身の回りの小さな変化は何ですか?


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木曜日, 1月 13, 2022

新年の幕開け

 皆さん、こんにちは。

鏡開きも過ぎ、年末年始の休日モードから少しずつ通常運転に戻りつつある今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

ここ数日で感染者数が激増しているコロナの動向も気になりますが、オレンジのご利用者様は年明けから元気に通所されていますよ。

かたやま神社が今年も3階にお目見えしたので、年始は初詣を行いました。

お賽銭は、かわいらしいおもちゃのお金。紙幣が一万円・五千円・二千円・千円、小銭が500円・100円・50円・10円と箱に並んでいる中から、お好きなものを選んでお賽銭箱に入れていただきました。

ほとんどの方は紙幣、しかも一万円を迷わず選んでいました。中には1万円札を3枚取って3万円のお賽銭という大盤振る舞いをされる方も!!

ご参拝の後は、おみくじを引いて今年の運勢を占いました。

おみくじももちろんスタッフのお手製。工夫を凝らした文面を皆さん熟読されていました。

さてさて、今年はどんな一年になるのでしょうか?

『画虎類狗』(虎を画きて狗に類す)とならぬよう、しっかりと大地を踏みしめつつ、たくましく前に進んでいけたらいいなと思います。









皆さんの一年の計はどんなことを誓いましたか?


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